カエルの住む井戸

 むかし昔、あるところにそれはそれは可愛らしいお姫様がおりました。
 背中にながれる御髪は蜂蜜のようで、瞳はまるで翡翠のようなあざやかな緑色、白く染まったその肌は白磁のように美しくありました。

 それは暑いある夏の日の出来事の事でございます。


 「今日は、とても暑いですね、セラ。」
 わたしは、太陽に手をかざしながら、侍女のセラにそう話かけました。
 「はい、姫様。夏は暑いモノではありますが、今日は特に暑うございます。」
 セラは、わたしの一歩後ろを常に歩きながら、深々と会釈をしながら答えてくれました。
 ですが正直言えば、他に見ている者もいないような場所でまで、このような畏まった口調で話されるのは、少々気づかれもします。
 わたしとセラは、乳母姉妹にあたり、幼子の時はそれはもう仲睦まじく過ごしたモノなのですが・・・最近では、大臣あたりの締め付けが強いのか、こういった口調でしか話してくれません。
 仕方ない事と申されれば、それまでですが。
 ですが、その日のわたしは、夏の暑さで少々嫌気が溜まっていたのかもしれません、普段なら気にもとめないセラの態度が、やけに目につき。
 「セラっ、ここには貴方とわたししか居ないのですよ、何故そのような話方をするのです。」
 少し苛ただしげに、問い詰めるような口調で、セラに話かけてしまいました。
 「姫様・・・」
 セラは、少し悲しげに首を振ってから。
 「もう、ご一緒に野原を駆け回れるような時は、終わってしまったのです。セラにはセラの、姫様には姫様の役割があり、私は唯、それをおこなっているに過ぎません。」
 「そんな事は、わかっています。ですが、今は誰も居ない・・・わたし達二人っきりなのですよ。」
 わかって欲しかった・・・セラには姫ではなく、唯のメイアとして扱って欲しかったのです。
 母様を早くになくし、国王である父様は政事で忙しく、わたしの周りに居る者達ときたら・・・腫れ物でも扱うかのような態度を取り、王の一人娘であるわたしに取り入ろうと、男は求婚しようと詩を歌い、女はわたしの美しさを褒め称える者達ばかり。
 そんな中、セラだけが、わたしを唯のメイアとして扱ってくれた。
 この国の姫ではなく、一人の人・メイアとして。
 「姫様、御わかり下さい・・・これが、私の勤めなのです。」
 しかし、セラは辛そうな顔で、頭を下げるばかり・・・
 わかってはいるのです、ですがこの時のわたしには、セラに裏切られたような気分になり。
 「わかりました・・・」
 「姫様・・・。」
 「もういいです・・・少しの間、一人にしてもらえますか。お庭を散策して来ます。」
 わたしは、突き放すような口調で、セラにそう申し付けました。
 セラは、少し驚いたような表情になり。
 「姫様、お一人では危のうございます、セラめを共に・・・」
 「一人になりたいと申してます、セラ。貴方は、わたしの部屋で帰るのを待っていなさい・・・少しわたしも疲れているので、気を紛らわせてくるだけです。」
 悲痛なセラの声に、わたしは少しすまないような気分になりましたが・・・嫌気が差していたのも事実、少し一人になりたい気分でした。
 「直ぐに戻ります、それにこのお庭は、わたしが幼い頃から駆け回っていた場所・・・危ない事など何もありません。」
 少しだけ優しく、セラにそう話し掛けて、微笑みを見せました。
 セラは、致し方なくといった感じではありましたが、頷き御殿の方へと戻って行きました。

 わたしは、セラが見えなくなると、お庭に降りて、散策を始めました。
 綺麗に刈られた木々や芝生は、爽やかな風と匂いを運んでくれます。
 「ああ、気持ちいい・・・」
 しかし、しばらく歩いていると、やはり暑さが目立ってまいりました。
 仕方なく、木々の影に身を寄せて、暑さを凌ごうとするのですが・・・夏の暑さは、わたしに容赦なく降り注ぎます。
 「そろそろ戻ろうかしら・・・」
 意地を張ってはみたものの・・・自然の猛威には、少々歯が立ちませんでした。
 仕方なしに戻ろうと立ち上がると、わたしが身を寄せていた木々の奥の方に、一つの井戸を見つけました。
 「あれは・・・」
 わたしの中で、幼い頃の記憶が蘇ります。
 小さい頃は、よくセラと二人であの井戸の水を汲み上げて、喉の渇きを潤したものです。
 わたしは、懐かしくなり、井戸の側へと近寄ります。わたしの記憶が確かなら、その井戸は御殿で・・・いえ、この国で一番綺麗でうつくしく透きとおった水を湛えていた筈です。
 わたしの喉は、この井戸を見てから、渇きを訴えてやみませんでした。
 そんな欲求にかられて近寄った井戸の底には、あの頃と同様の何処までも透きとおっている水がありました。
 むかし、セラがやってくれたように、桶を井戸の中へと放り投げて、汲み上げてみました。
 「あら、何故かしら・・・お水がとても濁っているわ。」
 わたしは、おかしく思い、井戸の中をもう一度覗いて見ました・・・ですが、井戸の中の水は、相変わらずうつくしく透きとおっています。
 桶の中の水を捨て、もう一度桶を井戸の中へと落としてみました。
 そうして、汲み上げてみると・・・何故か、水は濁っているのです。
 「とても不思議です、何故でしょうか。」
 思わず首を傾げながら、再び井戸の中を覗いてみました。
 すると、ぱしゃぱしゃとカエルが井戸の中で泳いでいたのです。
 これでは、水が濁って当たり前、私が如何しようかと一計を案じていると、何とカエルがわたしに話し掛けてきたのです。
 「お姫様お姫様、何かお悩みのご様子、如何されました?」
 そのカエルは、ぺちゃりぺちゃりと粘つくようなくぐもった声と人の言葉でわたしに話し掛けてまいりました。
 わたしが、驚きと畏怖で言葉を失していると、カエルはぴょんと井戸の縁にまで飛んできて。
 「お姫様お姫様、あまり驚きなさらないで、私は人の言葉を話す事は出来ますが、唯それだけのカエルでしかありません。それよりも、貴方は如何されました?」
 カエルは、まるで貴公子然とした態度で、わたしに話し掛けます。
 そのカエルの礼儀正しい態度に、わたしも少しばかり安堵しました。
 最初は、恐ろしい者かとも思いましたが・・・このような態度を取る者が、悪い者の筈がないと思い。
 「カエルさん、驚いてしまい、申し訳ありません。わたしは、この井戸の綺麗で透きとおったお水が飲みたくて、やってきたのです。」
 わたしは頭を下げて謝ると、カエルさんにそう話かけました。
 「成る程成る程、わたしが泳いでいたから、うつくしく透きとおっていた水が濁ってしまったのですね。しかしながら、これは問題だ。何故なら、カエルである私は、水があれが泳がずにはいられない。これは問題だ。」
 カエルさんは、うんうん唸って、再び水の中へと戻っていきます。
 わたしは、井戸の中を覗きこみ、カエルさんにお願いしました。
 「お願いします、カエルさん。わたしは、綺麗でうつくしく透きとおったお水が飲みたいのです。」
 カエルさんは、ぱしゃぱしゃと泳ぎながら、うんうん唸ってわたしを見上げます。
 「ですがですが、それは非常に難しい問題です。何故なら、私は蛙としての本能で、水があれば自然にその中で泳ごうとしてしまう、その本能を押さえる事には酷い苦痛を伴なわなければならないのです。」
 普段のわたしなら、きっとその言葉に納得して、お水の事は諦めた事でしょう。
 しかし、その時のわたしは、何故か喉が酷く渇き、水を兎に角飲まなければと、心が追い立てました。
 「お願いです、カエルさん。もし綺麗でうつくしく透きとおったお水をいただけるのでしたら、わたしも一つあなたのお願い事をききましょう。」
 カエルさんは、泳ぎながらピクンと目を瞬かせました。
 「確かに一つ、一つだけ何でもお願い事をきいていただけるのですね?」
 「ええ、お約束いたしますわ。わたしの持っている宝石でも、指輪でも、今頭に戴いている金の冠でも差し上げます。」
 わたしは、酷く喉の渇きにかられて、一刻も早くお水を飲みたくて、そうお約束いたしました。
 すると、カエルさんは。
 「よろしいでしょうよろしいでしょう、それならば、私も泳ぐ本能を押さえてみます。さぁさぁ、今のうちに綺麗でうつくしく透きとおった水を御汲みになりなさい。」
 「ありがとう、カエルさん。」
 わたしは、桶を井戸の中へと投げ入れて、綺麗でうつくしく透きとおったお水を汲み上げました。
 桶から手で水をすくい、幾度も口をつけて、ごくごくと水を飲みますと、その冷たいお水はわたしの喉を潤してくれました。
 「さぁ、お姫様お姫様、今度は私の願いをかなえて頂く番です。」
 カエルさんは、再び泳ぎ始めますと、頭をぴょっこりと出しながら、そう話掛けられました。
 「わかりました、カエルさん。カエルさんは何が欲しいのですか?わたしが持っている物なら、何でも差し上げますわ。」
 「いえいえ、私はお姫様が持っている物には、何の興味もありません。」
 カエルさんは、器用に首を振ってそうお答えになりました。
 「わたしの持っている物ではないのですか?それならば、侍女に言ってお望みの物をご用意いたしましょう。」
 「いえいえ、私は他の物にも、何の興味もありません。」
 カエルさんは、再びそうお答えになって、器用に首を振られました。
 「それならば、何が欲しいのですか?わたしには、もうどうする事もできませんよ。」
 わたしは、少し困ってしまい、眉を寄せます。
 「いえいえ、そうお困りにならなくて結構です。私の願い事は、お姫様には、簡単にお出来になる事ですから。」
 そう言われても困ってしまいます。
 わたしは、セラのように綺麗に部屋を掃除する事も、料理番のコームのようにお料理を作る事も、宮廷楽士のヒューラのように美しい音楽を奏でる事も出来ません。
 ですが、カエルさんは笑って言います。
 「はっはっは、はっはっは、私の願い事はそのような事ではありません。」
 「では、どのような事でしょうか?わたしには、もう想像もつきませんわ。」
 わたしは、あれやこれやと御殿で働く人々の事を思いだし、頭を捻りますが・・・カエルさんの望みは、まったく思いつきもしませんでした。
 「それではそれでは、私の願い事を言いましょう。」
 カエルさんは、きょときょとと目を回して言いました。
 「私は私は、お姫様とお床を共にして、一緒の寝床と、一緒の枕で、共に眠りたいのです。」
 わたしはこの言葉を聞いて、びっくりしてしまいました。
 蛙と一緒に眠ろうなどと、誰が考えるでしょう。
 そう考えてみると、途端にこの貴公子然とした口調で近づいてきた蛙の事が、とても気味悪く見えてきました。
 ぼてぼてした頭に、飛び出た目玉、ぬるっとした肌に、両手両足についた手かき・・・とても気持ち悪くて、正直嫌な気分になりました。
 「そんな酷いお願いは止めて下さい。わたしは、隣国の王子様と将来を近い合った身、他の者と寝床を共にする事など許されない事・・・どうか、お許しください、カエルさん。」
 ですが、カエルさんは、少しいやらしい口調で言いました。
 「お姫様お姫様、私は貴方のお願いをきいたのに、貴方は約束を破ると言うのですか?それこそ、酷い事ではありませんか。」
 カエルさんは、一度水の中に頭を沈めてから、再び顔を出して言いました。
 「お姫様お姫様、それでは今宵、貴方の下へと伺いますから、どうかどうか、戸口は開けておいて下さい。私の体では、戸口を開ける事はできません。ですから、お願いですお姫様。絶対に戸口は、開けておいて下さいね。」
 そう言い残すと、カエルさんは水の底へと潜っていきました。


 わたしは、御殿に戻ると・・・とても陰鬱な気分になり、食事も喉が通らなくなりました。
 「姫様、一体どうなされたのですか・・・何やら、食事も喉がお通りにならない御様子、皆も心配致しております。」
 セラは、わたしが寝着に着替えるのを手伝いながら・・・心底心配そうに、わたしにそう話しを切り出しました。
 ですが、あのような事、話せるわけがありません。
 言っても、笑われるだけです。
 ですから、わたしは微笑んで見せてから、何でもないとだけ答えました。
 「あの、もしや昼間の事で・・・」
 「セラ、それは違います。わたしが悩んでいる事は、ごくわたし個人の事に過ぎません。だから、気にしないで、セラ。」
 わたしは、どうやら想像以上に陰鬱な表情を顔に出していたようです。
 「それに、わたしにはわたしの、セラにはセラの役割と勤めがあると申したのは、貴方の方ですよ。この悩みは、わたしの勤めであり、役割の筈です。」
 わたしは、それでも・・・彼女の心配が鬱陶しくて、思わず手厳しい言葉で、彼女の追及を阻みました。
 放っておいて欲しかった。
 わたしの悩みは、人に話せば笑われてしまうような物だから。
 ですが、今宵あの蛙が来るかと思うと、恐ろしさで手足が震えてしまいます。
 「・・・申し訳ありません、姫様。ですが、私で何かお役に立てるような事があれば、何時でもお呼び下さい。私は、何時如何なる時でも、姫様のお側にいますから。」
 セラは、わたしを着替えさせた後、そう言い残すと、わたしの部屋から出て行きます。
 わたしは、セラが出て行ってから、後悔してしまいました。
 何故、あんな事を言ってしまったのか・・・素直に助けを求めればよかった。きっとセラなら、わたしの言う事を信じてくれたかもしれないのに。
 ですが、今更後悔しても始まりません。
 わたしは、しっかりと鍵を掛けて戸口を閉めると、寝床へ入ってシーツに包まり。
 (どうかお願い、来ないで下さい、カエルさん。)
 わたしは、そう思いながら目を瞑りました。

 トントントン・・・
 「お姫様お姫様、私です、昼間の蛙です。どうか戸口を開けて下さいな。」
 わたしは、その声で目が覚め、ひぃと短く悲鳴をあげて、シーツを頭から被って黙って去るのを待ちました。
 カエルさんには、悪いのですが・・・やはり、一緒にお床を共にするのは、気持ち悪かったのです。
 トントントン・・・
 「お姫様お姫様、私です、昼間の蛙です。どうか戸口を開けて下さいな。」
 また、カエルさんのぺちゃりぺちゃりと粘つくようなくぐもった声が、聞こえてきます。
 ですが、わたしは恐くて、一言も声をあげる事が出来ません。
 すると諦めたのか、戸口を叩く音も、わたしに呼びかける声もしなくなりました。
 わたしは、思わずほっと胸を撫で下ろしました。
 「よかった・・・これで・・・・・・」
 明日になったら、セラに謝ろう。きっと彼女は心を痛めながらも、心配してくれている。
 もう、心配ないのだと、伝えよう・・・そんな事を考えていると、ガシャンと窓ガラスが割れる音がしました。
 「・・・えっ!?」
 「お姫様お姫様、酷いではありませんか。ここに居るのに、お声すら聞かせてくれないとは、それはあまりに酷すぎます。」
 割れた窓の向こうのバルコニーには、カエルさんが・・・背丈が人並みに大きくなったカエルさんがいらっしゃいました。
 ぼてぼてした頭に、飛び出た目玉、ぬるっとした肌に、両手両足についた手かきのある姿はそのままに、大きさだけが人と同じくらいになっています。
 いえ、姿かたちは一緒でも、その本来なら在らざる姿に、気持ち悪さは以前とは比べ物になりませんでした。
 気絶しなかったのが、不思議なくらいでした。
 カエルさんは、器用に二本足で立ち上がると、割った窓をこじ開けて、部屋の中へと入ってきました。
 「さぁ、お姫様お姫様、私とのお約束を守ってください。一緒の寝床で、一緒の枕で共に眠りましょう。」
 カエルさんは、目を見開き、手を広げて私に寝床を半分よこすように催促してきました。
 わたしは、自らの非を認めながらも、やはりこれだけは容認できません。
 確かに約束をしたのはわたしで、約束は守らねばならない事・・・ですがっ、蛙と寝床を共にするなど・・・
 「衛兵っ、衛兵っ!ここに侵入者がいます。早く、早く追い出してください!」
 わたしは、思わずそう叫びました。ですが、誰も答えません。
 常時、いたる所に兵がいて、御殿を守っている筈なのですが・・・
 「衛兵っ、衛兵っ!!」
 わたしは、悲鳴交じりに声をあげるのですが、誰も駆けつけてはくれません。
 「お姫様お姫様、それはあまりのお言葉です。わたしは、貴方に招待された者、侵入者ではありません。」
 カエルさんが、ため息交じりに呟きました。
 それでも呼び続けるわたしに、カエルさんは。
 「お姫様お姫様、無駄な事はお止しなさい。兵達は皆疲れて休んでおります、誰もこの部屋に来る事は出来ないでしょう。」
 「そんな・・・」
 「さぁ、お姫様お姫様、今こそお約束を果たして下さい。」
 カエルさんは、大きく口をあけてそう言うと、わたしの下へと迫ってまいりました。
 恐怖で震えるわたしには、ただ頷く事だけしか出来ず・・・カエルさんが寝床を共にする事を認めてしまいました。

 わたしは、ベットの左に寄り、右半分をカエルさんにお譲りして、シーツに包まりました。
 「お姫様お姫様、それでは私が寒いのです。どうか、シーツを半分私に分けて下さいませんか?」
 カエルさんが、そんな事をおっしゃりました。
 わたしは、断った時のカエルさんの反応が恐くて、おとなしく包まっていたシーツの半分をカエルさんに明け渡しました。
 シーツに包まったカエルさんは、至福の表情で頷き。
 「ああ、暖かい暖かい、お姫様の温もりが伝わって、まるでお姫様に抱かれているようだ。」
 わたしは、その言葉で頬が赤くなるのを自覚しました。
 わたしが先程まで包まっていたシーツには、わたしの温もりがうつっており、それをカエルさんに知られたかと思うと・・・恥かしさでいっぱいになります。
 「お願いです、そのような事はおっしゃらないで下さい、カエルさん。」
 わたしが、そう哀願するように言ってもカエルさんは・・・
 「何故です何故です、私は唯思った事を真実だけをのべただけ、シーツには確かにあなたの温もりと匂いが残っております。」
 ああ、匂いまで嗅がれるなど・・・わたしは、思わず泣きそうになります。
 ですが、カエルさんの言葉は、これで終わりではありませんでした。
 「それよりもそれよりも、お姫様。何故こちらを向いて頂けないのです?私は、貴方の可愛らしいお顔を拝見しながら眠りたいのに。」
 「お許しください、カエルさん・・・唯でさえ、王子様以外の方と寝床を共にするとゆう事で恥かしいのです。この上カエルさんのお顔を拝見しながら眠るとなれば、わたしの胸は、恥かしさで弾けてしまいます。」
 わたしは、祈る思いで願いながら、カエルさんにそう言いました。
 もちろん、理由は違います・・・カエルさんのお顔を見ながら寝るなど、あまりに気持ち悪かったからです。
 「そうですかそうですか、それならば致し方御座いません。今宵は、我慢いたしましょう。」
 カエルさんは、何故か嬉しそうな声でそうわたしに囁きました。
 わたしは、カエルさんの息が耳元に吹きかかり、思わず身を震わせます。
 ですが、同時に安心もしました。
 (今夜だけの我慢・・・このまま眠ってしまえば、もう終わりなのだから。)
 しかし、カエルさんの次の言葉が、わたしを地の底へと突き落としたのです。
 「お姫様お姫様、貴方様のお尻はなんと可愛らしい、ふりふりと揺らして・・・もしや、わたしを挑発しておるのですか?」
 カエルさんが、恐ろしい事をお言いになりました。
 「ち、違います。わたしは、お尻を振ってなどおりません。」
 恥かしさで顔を真っ赤にして、わたしは否定します。ですがお尻を隠そうと思えばわたしは、カエルさんのお顔を見なければなりません・・・このような近くであのお顔を拝見するなど、わたしの背に悪寒が走ってしまい、それを実行する事は出来ませんでした。
 わたしは、自分の体を隠すように・・・ぎゅっと自分の体を丸めて、両腕で抱きしめました。
 しかしそれは、余計にお尻を強調してしまう行為だったようです。
 「なんとなんと、お姫様。まさか自らお尻を突き出してくるとは・・・貴方様のお尻は、ぷるんと震えておりますよ。」
 そう言って、べとべとする水かきのついた手で、わたしのお尻を触ってきたのです。
 さわさわと撫でるように、触れてきます。
 「ああ、いやっ、お願いです、そのような事はお止めください。」
 わたしは、背を這い上がるような悪寒に耐えながら、必至の思いでカエルさんに訴えかけます。
 「お姫様お姫様、それは無理な事と言うものです。何故なら、可愛らしいお尻を振ってわたしを欲情させたのは、貴方様の方。わたしにとっては、泳ぐ本能を押さえる以上に、欲情する本能は止めがたいものなのです。」
 カエルさんのぺちゃりぺちゃりと粘つくようなくぐもった声・・・ですが、その声に荒い息が混ざっているのを、わたしは感じ取っていました。
 「お願い・・・お願いです、もうお止めになって下さい。どうすれば、どうすれば、止めて頂けるのですか。」
 わたしは、願う気持ちで、カエルさんに問いかけました。
 「お姫様お姫様、この欲情した本能、もはや一度抜かなければ収まりつきません。」
 寝着越しに触れてくる手に、わたしは涙を落しながら、その方法を聞きました。
 「いやぁ・・もう、いやなのです・・・どうすれば許して頂けるのです。抜くとは、どうすればいいのです。」
 わたしは、逃れたい一身で、そう聞きました。
 「お姫様お姫様、もしや貴方様は私の欲情した本能を静める為に、その身を捧げ様としてくれているのですね。」
 わたしが、コクンと頷くと。
 「ああ、なんとなんと感激な事・・・それならば、話は簡単、ただ大人しく身を預けてくださいませ。そうすれば、一刻の間に事は終わりましょう。」
 「そ、そんなっ!?」
 「さぁ、その両腕で拘束した御自分の体を解放なさるのです。そうすれば、ゆるりと貴方様を快楽の世界へお連れいたしましょう。」
 わたしは・・・もう、一時でも早く解放されたい思いから、両腕と両足を大人しく下ろしていきました。
 すると、カエルさんは、物凄い勢いで、わたしの背中から体を合わせてきたのです。
 「ひぃっ!」
 「おお、素晴らし素晴らしい揉み心地・・・まるで、スポンジのように柔らかく、ゴムのような張りがあります。」
 脇の下から差し入れた腕が、わたしの胸をもみもみと揉みながら、カエルさんは感動した面持ちで(顔は、見ておりませんが)そう囁きます。
 「ひぃんっ・・・あ、っく・・・・・・ひぃぁっ・・・」
 カエルさんが、胸を揉むたびに、痛みと・・・何か、ぴりぴりとした良くない物を感じてしまいました。
 そう、何か、痺れに近いような感覚・・・
 カエルさんは、わたしのそんな思いに気づかぬまま、今度は何か熱く硬いモノを押し付けてまいりました。
 ぐりぐりと・・・その・・お尻の間に擦り付けるように・・・・・・
 「・・・んっ・・・・・・はぁ、カ、カエルさん・・・一体何を押し付けているのですか・・・・・・」
 何かが、体の芯から湧き上がってくるのを押さえながら、わたしはカエルさんにそう問い掛けました。
 「これはこれは、男の欲望の象徴で御座います、お姫様・・・貴方様があまりに魅力的なため、こんなにも硬く大きくそそり起ってしまったのです。」
 カエルさんは、気持ち良さそうな声をだしながら、ぺちゃりぺちゃりと言いました。
 「そ、そんなの・・・わた・・し・・・知りません・・・・・・もう、その当てるのは、止めて・・・ください・・・あぁ・・・」
 わたしが、必至になって搾り出した声に、カエルさんは何故か感激した口調になって。
 「お姫様お姫様、なんとゆう事でしょう。貴方様は、私めの愛撫に感じてらっしゃるのですね。なんとゆう感激、それではもっと激しくする事にいたしましょう。」
 「・・・・・ひぃぁっ!?」
 舌が・・・長い、カエルさんの舌が、わたしの首下から伸びてきました。
 それから、するすると寝着の首下の隙間から入っていき、わたしの胸を舐め始めたのです。
 カエルさんは、ぺろぺろと胸を舐めながら、空いているもう片方の胸をもみもみと揉み、お尻に何かを擦りつけます。
 「あ、あっ、あっ、あっ・・・ダ、ダメぇ・・・そ、そんな・・・ふぁっ、何か変な感じのモノがぁ・・・・・・」
 わたしは、自分でも聞いた事のないような、悲痛な声をだしながら、されるがままとなってしまいます。
 抵抗すら、出来ません。
 カエルさんの舌が、胸を離れていきます。
 「・・・あ・・・・・・」
 「お姫様お姫様、残念ですか?」
 カエルさんが、可笑しそうに笑うのです。
 「そ、そんな事・・・」
 わたしは、何か言いようのない羞恥にかられて、顔を下へ背けます。
 「はっはっは、はっはっは、残念がる必要ありません。この舌は、別の場所を舐め尽くすために、移動しているのですから。」
 カエルさんは、そう言うと、わたしのおへそのあたりを舐め始めました。
 「ふぁっ・・・そ、そんな所・・・あ、はぁっ・・・あぁ・・・・・・」
 「素晴らしい素晴らしいですよ、お姫様。貴方のおへその味は、格別だ。」
 「い、いやぁぁぁ・・・」
 わたしが、頭をかぶり振って嫌がりますが、カエルさんは止めてはくれません。
 その内、カエルさんは、わたしの胸を捏ねるように揉みながら、ぎゅっと胸の間を通る舌を押し込むように挟み込んだのです。
 舌のねっとりとした感触が、強く強調されます。
 また、舌がにゅるにゅると動きまわっているので、胸が強く刺激されてしまうんです。
 この頃になると、わたしは、カエルさんが何かに触れて刺激する度に甘い痺れがやってくる事に気が付いていました。
 胸や、お腹や、お尻・・・に触れる度に、痺れてきてしまいます。
 嫌悪感を制して、気持ち良さがわたしの思考の表面へと押し出てくるのです。
 「んん・・・ふぁぁぁ、そ、そんなに、動かさないで下さいぃ・・・・・・」
 「気持ちいい気持ちいいのですね、ならばもっと良くして差し上げましょう。」
 カエルさんは、はぁはぁと息をわたしの首筋に吹きかけながら、更に舌を奥へと伸ばしていきます。
 舌が、わたしの・・・・・・あ、あの・・・その・・・お小水をする所を舐め始めたんです。
 「あっ、はぁぁぁ・・・カぁ、カエル・・さんっ・・・・・・や、やめてぇ・・・そこは、汚いんでぇすぅ・・・・・・」
 今まで以上の気持ち良さに、わたしは考える事を止めたくなりそうになりながらも・・・体を揺すって抵抗します。
 ですが、それがカエルさんを反対に刺激してしまいました。
 「おほぉうおほぉう、まさかお姫様自らわたしを気持ち良くしてくれるとは・・・感激していましたよぉっ。お尻を自ら擦り付けて、胸をぷるぷると動かして、私めを誘って下さるとは・・・ならば、もっともっと貴方様を可愛がってさしあげます。」
 「そ、そんなぁ・・・ち、違うので・・・すんっ、あはぁっ!」
 カエルさんは、わたしの言う事などちっとも聞かずに、体を動かし始めました。
 先程以上に、お尻に硬いモノをこすりつけ、胸をパンのように捏ねながら揉みしだき、その胸でわたしの股間を刺激している舌を挟み込みました。
 まるで全身を拘束されてしまったかのような、力強い動き・・・それでいて、間断なく甘い痺れをわたしに送り込んでくるのです。
 「あんっ、あんっ、あんっ・・・んん・・・ふぁ、あっ、あっ・・・」
 「お姫様お姫様、なんと素晴らしい体をしているのですか・・・味わえば味合う程に甘くとろけて、私めを虜にしていきます。さぁ、私めの舌で貴方様の秘所の中を舐めあげてさしあげましょう。」
 カエルさんは、そう言うと・・・舌を、わたしの・・・その・・・・・・・・・・・・・・・あ、穴の中へ、入れてきたんです。
 「あ・・・あぁぁぁっ、嘘、嘘ですっ・・・・・・こんなの・・・気持ちいいわけ・・・ないっん・・・のにぃ・・・・あぁ・・」
 「美味しい美味しいですよ、お姫様・・・この舌先に伝わる、愛液の味・・・この、なんと素晴らしい事・・・」
 今まで以上の刺激が、わたしをせめたてました。
 甘い痺れが、全身を侵していき・・・
 「あぁ・・・あぁ・・・あぁぁぁ・・・・・・はぁはぁはぁ・・・んっ、ああっ・・・ああぁぁぁぁぁっ!」
 カエルさんの舌先が、わたしの中を蠢いている時・・・その舌が、何処かに触れた瞬間、凄い何かが走り抜けました。
 今までとは、比べ物にならないくらい気持ち良くて・・・わたしの体はビクビクと震えて、全身から力が抜けていきました。
 「素晴らしい素晴らしい感度です、お姫様、貴方様はイったのですね。私の舌が、余程お気に入りのようですね。」
 カエルさんが、息もたえたえとなったわたしの体を今だに触りつづけながら、舌を滑らすように寝着の中から取り出しました。
 「あ・・・はぁ・・・・・・」
 思わず、何かが漏れるような声を出してしまいます。
 「それではそれでは、お姫様の大好きなこの舌めを、貴方様の舌とお口の中で絡めあいましょう。」
 にゅるにゅると這いながら、舌がわたしの口を割っていきます。
 まともな状態のわたしでしたら、絶対に抵抗した筈なのに・・・わたしは、その時・・・・・・何の抵抗もできませんでした。
 「んふっ・・・んんっ・・・・・・」
 カエルさんの舌は、わたしの口の中を舐め尽くしていきます・・・それは、酷く嫌悪感のある行為だった筈なのに・・・・・・今は、とても気持ちが良くて・・・・・・
 カエルさんが、舌を絡めてきた時・・・その気持ち良さに・・・・・・自らも絡めてしまったのです。
 「んっ、んっ、んー・・・んぁ、んん・・・んっんん・・・・・・」
 カエルさんは、わたしを仰向けに寝転がすと、わたしの上に乗ってきました。
 その時、わたしが敢えて忘れようとしていた事実を、事実として無理矢理認識させられました。
 相手が、蛙だと言う事に・・・
 「んっんぁぁぁぁっ!・・・んんっ、んーっ、んっ、んんっ!!」
 わたしは、必至になって舌を口の中から追い出そうとしましたが、どうあってもカエルさんの動きにはかないません。
 カエルさんは、舌を巻き取りながら唇を近づけてきます。
 緑色のいぼいぼした、気持ち悪い顔と唇を近づけて・・・・・・重ねられてしまいました。
 「んんっー、んん、んん・・・んー・・・・・・」
 涙が・・・泣くことすら封じられて、涙を流すことしかできませんでした。
 唯ただ、涙を流すことしか・・・あまりに悲しすぎました。わたしが、初めてキスをしたのが・・・蛙だなんて。
 「んん・・・ん・・・んっ・・・・・・」
 カエルさんは、ようやく満足してくれたのか・・・長い時の後、ねちょりとした唇をようやく離してくれました。
 「ああ・・・・・・こんなの、酷すぎます・・・」
 わたしが、枕を涙で濡らして悲嘆にくれていると・・・
 「お姫様お姫様、私はまだまだ満足していませんよ、ほら。」
 カエルさんが、そう言って、自分の股間に生えているモノをわたしに突きつけました。
 「ひぃっ・・・」
 わたしは、理解出来ない恐怖に襲われてしまいました。
 それは、白く染まっており、尚且つ天を突くように反り返っているんです。
 「お姫様お姫様、これがなんとゆうか、御わかりになりますか?」
 「・・・い、いえ・・・・・・」
 わたしは、恐怖にかられながらも、そう答えると・・・カエルさんは、笑って。
 「これはこれは、おちんちんというのですよ・・・ほら、お姫様も復唱して。」
 「お、おちんちん・・・」
 わたしは、酷く恥かしい事をさせられているような気がして、涙を流しながら顔を赤くしてしまいます。
 「そうですそうです・・・それでは、お姫様のここ・・・私のおちんちんがある場所は、女性の場合なんとゆうかわかりますか?」
 「・・・・・・わ、わかりません・・・」
 カエルさんは、わたしの寝着を捲くりあげて、水かきのついた手で、そこを掴んできました。
 「あっはぁっ・・・!」
 「ここはここは、おまんこと呼ぶのです、さぁ。」
 「お、おまんこ・・・」
 もう、わたしは、恥かしくて恥かしくて・・・両手で顔を覆い、カエルさんが止めてくれるのを待つことしか出来ません。
 しかし、それは望めるものではありませんでした。
 「今度は今度は、私がお姫様に気持ち良くしてもらう番ですよ。」
 「そ、そんな・・・」
 もう、これ以上何かされたら・・・わたしはきっと狂ってしまう。
 「お姫様お姫様、私のおちんちんを咥えてくださいな。」
 わたしに突きつけていたそれを、わたしの口元へともってきたました。
 わたしは、思わず顔を背けると、カエルさんのそれはわたしの頬を突きました。
 「酷いです酷いですよ、お姫様。わたしは、一生懸命貴方様を気持ち良くしてさしあげたのに。」
 「わたしは、そのような事を頼んでわおりませんっ」
 わたしは、非難げにそう叫びます。
 カエルさんは、わたしの頭を両手で掴み
 「お姫様お姫様、何と言う事だろう。貴方は最初に、わたしにこういったではありませんか、抜いてくれると・・・今こそ、約束を果たされる時ですよ。」
 そう言うと、わたしの唇に・・・お、おちんちん・・・をつけたんです。
 「いっ、いやぁ・・・むぐっ、んぶぅっー・・・・・・」
 それは、無理矢理にわたしの唇を割って侵入してきました。
 「お姫様お姫様、あなたの口の中はなんと素晴らしいのでしょう、ねっとりしていて、暖かくて、とても気持ちが良いですよ。」
 カエルさんの・・・おちんちんは、わたしの口の中でビクンビクンと蠢いていました。
 何か質感が、ねちゃっとしていて・・・凄く気持ちが悪いです。
 「もっともっと気持ち良くして下さいね、お姫様。」
 カエルさんが、そう言って、腰を静かに揺すり始めました。
 「んんっ!?・・・うぶっ・・・ううっ・・・んうぅ・・・・・・」
 「気持ちいい気持ちいいですよ、さぁお姫様、今度は私のおちんちんに舌を絡めるのです。」
 わたしは、いやいやと僅かに頭をふってカエルさんを上目づかいに見て、それを止めてくれるように哀願したのですが。
 カエルさんは、少し怒ったようにべたべたした手でわたしの髪を引っ張って。
 「んっー!?」
 「お姫様お姫様、あまり我儘いってはいけませんよ・・・さぁ。」
 わたしは、カエルさんの怒りが恐くて、恐々と口の中でカエルさんのに舌を伸ばしました。
 ねちゃっとした感触が、舌の上で更に強くなります。
 「うぐっ・・・んむっ・・・うえええっ。」
 思わず、嘔吐感も込み上げてきます。
 「むぐっんんっんぐっうくっうぶっ・・・」
 それでも、カエルさんは一向に止めてくれる気配がありません。
 寧ろそれは、更に早まって・・・わたしの舌をペニスに絡まさせて、さらに早く腰を動かしてきます。
 カエルさんの肌に浮かぶぬめりの所為で動きが早まり、ちゃぶちゃぶちゃぶといった音が・・・・・・違います、ぬめりだけじゃなく、わたしの唾液がたくせん出て、動きをよくしているのです。
 もう、わたしは、恥かしさと気持ち悪さでいっぱいでした。
 でも、カエルさんはとっても気持ちよさそうに。
 「はぁはぁはぁ、はぁはぁはぁ・・・いいですよぉ、お姫様。さぁ、わたしのおちんちんのくびれた部分をもっと舐め回すのです。」
 わたしは、早く終わって欲しくて、言われた通りに口の中で指定された部分を舐めました。
 鼻だけで呼吸しながら、舌を懸命に動かします。
 「んっんんっんんんっ・・・はうっ・・・んんっ・・・うぶっ!」
 「ほぉっほぉっ、ふぉぉぉぉっ!!」
 カエルさんが大きな声を出した直後、口の中のペニスがびくんびくんと震えを大きくなりました。
 次の瞬間、おちんちんの先から、あたたかいものが飛び出してきたのです。
 ドクッドクッドピュッドピドピュピュッ!
 それは、わたしの口の中で飛び散り、へばりついてきました。
 その、少し塩気があり、ぷんと生臭いものを口の中に感じた瞬間、わたしは今まで以上の嘔吐感に最悩まされました。
 結果、思わず顔を離してしまったんです。
 「うおええぇぇぇっ!!」

 ぶぴゅっっぴゅるぶぴゅるるるるるるっ!!

 カエルさんのおちんちんの先からは、白濁したものが飛んできて、わたしの顔を容赦なく打ちつけました。
 まるで、カエルさんの肌の感触のように、ねっとりとして、べたつき、生臭い・・・白い何か。
 それが、わたしの顔、髪、体に容赦なく降り注いできます。
 「お姫様お姫様、ちゃんと飲まなくては駄目ではありませんか。」
 カエルさんは、「おうっおうっ・・・」と叫んだ後、少し小さくなったおちんちんをわたしの頬に突っつきながら、ぎょろっとした目でわたしを責め始めました。
 「で、でも・・・」
 そんなの無理です・・・あんな粘っこくて、生臭い物を飲めだなんて・・・・・・
 「仕方ない仕方ないですね、初めてですから許しましょう。」
 わたしは、ほっとしてカエルさんを見上げます。
 これで、この悪夢もようやく終わるんだ・・・そう思った矢先。
 「次は次は、わたしのおちんちんを舐めて綺麗にするんです。」
 「あ・・・あぁ・・・」
 わたしは、思わず悲嘆にくれた声を出してしまいました。
 それでも、もう抵抗する気力もなくなっていたわたしは、素直に舌を伸ばしてしまいます。
 「飴玉飴玉を舐めるように、ぺろぺろと舐めるんです。さぁ、おちんちんを両手で掴んで、先っぽをぺろぺろするんです。」
 荒い息で、カエルさんが、わたしにそう指示をだします。
 わたしは、言われた通りにカエルさんのおちんちんを両手で包み込むように掴み、飴玉を舐めるようにぺろぺろとなめました。
 カエルさんが、自らだしておちんちんにこびり付いた白濁とした液を、わたしは少しづつ舐めとっていきます。
 これで終わり、これで終わりだから・・・と自分自身に言い聞かせながら。
 「素晴らしい素晴らしい、なんと官能的で媚惑的な絵なんだ。あの可愛らしいお姫様が、わたしのモノを一心不乱に美味しそうに舐めているだなんて・・・ふぁぁぁっ!」
 その時、不思議な事が起こりました。
 あのカエルさんのおちんちんが、再び大きくなったのです。
 「っ!?」
 「お姫様お姫様・・・貴方様はなんとゆう方だ、貴方様の所為で私のおちんちんは、再び大きくなってしまったではないですか。」
 そ、そんな事って・・・これは・・・何で・・・!?
 「もう我慢のもう我慢の限界ですよ、お姫様。貴方様の純潔は、私がしっかりと頂きましょう。」
 な、何を言っているの、カエルさんは!?
 「ふぉぉぉっふぉぉぉっ!!」
 カエルさんは、わたしの寝着に手をかけると・・・下着ごと一気に引きちぎったのです。
 「ひぃっ!な、何をするのですか!?」
 わたしは、悲鳴をあげながら、両腕で体を隠しました。
 でも、カエルさんは、そんなわたしの両腕を力づくで引き剥がして、寝床に押さえ込んだのです。
 「ほぉーほぉー、白くて柔らかそうで、胸やお尻のなんと美味そうな事・・・」
 「いや・・・いや・・・や、やめてぇぇぇぇっ!!」
 何をされるのか、まるでわかりませんでしたが・・・わたしの中で、本能がそう叫んでいました。
 「そうはそうは申されましても、私のおちんちんは、お姫様のおまんこを求めてやまないのですよ。」
 そう言って、わたしの股間におちんちんを当ててきました。
 ちゅく・・・そんな音がしたような気がします。
 ちゅくぢゅくじゅくちゅく・・・
 カエルさんが腰を振るたびに、そんな音が響き渡りました。
 わたしは、その音を聞くたびに、何だか・・・体の奥が燃え上がってくるような・・・頭が真っ白になっていくような、そんな錯覚に見舞われました。
 「そろそろそろそろ入れますよ、お姫様。」
 わたしは、何だかぼうっとしていて・・・その言葉の意味する事を理解できませんでした。
 ですが、次の瞬間・・・脳天をつくような痛みが、股間から走ったのです。
 「ぎぃひっ、いいいいあああぁぁぁぁぁぁぁっ!!」
 「お姫様お姫様、あなたのおまんこは、なんと素晴らしい感触なんだ、ねっとりしていながら絡み付いてきて、柔らかいのに締め付けてくる。素晴らしい、素晴らしいですよぉー!!」
 カエルさんが、わたしの痛みや叫び声など気にも止めずに、懸命に腰を振ってきました。
 「ぐぁっあうっううっひぃっひぃっひぃっ・・・うぁぁぁっ!!」
 「大丈夫大丈夫、じきによくなりますよ、お姫様。」
 カエルさんの舌が、わたしの口の中を蹂躙してきました。
 そして、ぬっとりとした肌をわたしの体に合わせて抱きつくのです。
 ざわざわとした悪寒・・・ですが同時に、ゾクゾクする感覚も生まれていました。
 わたしの肌を滑る度に、舌を頬の内側をなぞられる度に、甘い痺れが生まれてくるのです。
 ですが、この時の私には、痛みでそんな事に気づく事すら出来ませんでした。
 それでも、時が立つにつれて・・・
 「んんっ・・・んふっ・・んん、んんんっ・・・はうっ・・・んんっ・・・んぶっ!」
 痛みを越える何かが、体の芯から湧き上がってきました。
 凄く、凄く気持ちの良い感覚・・・
 「お姫様お姫様、ほら私の言ったとおりになったでしょ。」
 舌で私の口の中をかき回しながら、器用にカエルさんが喋ります。
 「とてもとても、気持ちが良いんですね。」
 もう、わたしは、何がなんだが・・・わけがわかりませんでした。
 唯、気持ちがとても良くて・・・何も考えられなくて・・・思わず頷いていました。
 「お姫様お姫様、私もです。とても気持ちが良いですよ。お姫様のおまんこは、最高のおまんこです。」
 わたしは、カエルさんのぬっとりとした肌に抱きつきました。
 気持ち悪かった筈のこの肌も、もう今では逆にわたしを気持ち良くしてくれる重要な要素になっていたのです。
 ぬるぬるとした肌は、わたしの胸を押しつぶしながら、捏ねるように、擦るように、撫でるように動いて、気持ち良くしていってくれます。
 カエルさんの舌にも、自分から舌を絡めてみました。
 それが、何ともいえない気持ちにさせてくれます。
 「んふっ、んふっ、んふっ・・・んん・・・んん・・・んふぅっ・・・・・・」
 腰が動く度に、甘い痺れが全身を走り、わたしの心と体を崩落させていき、もうわたしの全てが甘い痺れに変わってしまったかのようでした。
 「お姫様お姫様、さぁさぁ行きますよ、私の精を貴方様の中に放ちましょう、貴方様も全てを受け入れてその気持ち良さを解放してしまうのです。」
 「んふ、んふ、んふ・・・んんー・・・・・・」
 何か破裂しそうな感覚・・・カエルさんの舌で、わたしの股間を舐められた時みたいな・・・いいえ、それ以上の気持ち良さがわたしの中で顕現したんです。
 「いきますいきます、お姫様、私の精を受け止めるのですっ、ふぉぉぉぉっ!!」
 「んー、んー、んふっ、んああぁぁぁぁっ!!」
 わたしの中に、熱くてどろどろした何かが、放たれました。
 それが、わたしの中を打ち付けて、わたしも何かから解き放たれたんです。
 気持ち良さが、今までの何十倍にもなって跳ね返ってきたような・・・わたしは、ビクンビクンと痙攣して、背を反らして、足をこれでもかというくらいに伸ばしていました。
 熱くて、どろどろしたものが、わたしの中で広がるのを感じたのです。
 凄い・・・凄く、気持ちいい・・・・・・
 同時に、わたしの中に入っていたカエルさんのおちんちんが小さくなっていくのも・・・
 「・・・あぁ・・・・・・」
 何故かわたしは、少し悲しげな声を出していました。
 「ふぉー・・・ふぉー・・・・・・どうでしたか、お姫様。」
 「気持ち・・・良かった・・・です・・・・・・」
 カエルさんは、目を細めて、わたしの頭を撫でてくれました・・・
 それから、おちんちんを抜こうと、体を立ち上げようとしたのです・・・ですが。
 「カエルさんっ、まって、まってください。」
 わたしは、そう言ってカエルさんの腰に足を回して、両腕でカエルさんに抱きついて、動きをとめました。
 それから、腰をぐりぐりと擦り付けるように動かして、わたしは少しでも気持ち良くなろうと動きはじめました。
 それに、そうすれば、きっとカエルさんも気持ち良くなる筈。
 「はぁん・・・うんっ・・・ああ・・・ああっ・・・いい、これいいです・・・カエルさんもでしょ・・・ね・・・」
 「お姫様お姫様、なんと言う事だ・・・まさか、一度しただけで、これほど淫乱になってしまわれるとは。」
 カエルさんのおちんちんが、わたしの中で大きくなっていくのを感じました。
 「あぁん・・・カエルさんのおちんちん、大きくなってます・・・ふぁ・・・」
 「しかししかし、これは中々面白い。お姫様、それならば、もっともっと遊んでさしあげましょう。」
 カエルさんは、そう言うと・・・わたしの両腕を引き剥がし、足を強引に振りほどき、腰からおちんちんを抜き取りました。
 「んはぁぁぁっ・・・ど、どうして・・・・・・」
 わたしは、この時どんな顔でカエルさんを見ていたのでしょう・・・唯、カエルさんはにやりとして。
 「さぁさぁ、今度は四つん這いになるのです。私ども蛙のように、顔を下に下げ、膝で立ち、この可愛らしいぷるんとしたお尻を高々とつきあげなさい。」
 わたしは、言われた通りに、カエルさんの目の前でお尻をつきあげ、四つん這いになりました。
 「お尻のお尻の穴が、丸見えですよ。なんとはしたない、あなたはそれでもこの国のお姫様なのですか?」
 嘲るようなカエルさんの笑い、ですがそれさえも今のわたしには、気持ち良くなるためのスパイスでしかありません。
 「あぁ・・・あぁ・・・そんな恥かしい事、おっしゃらないで下さい。どうかどうか、早くわたしの中におちんちんを入れて下さい。もう、早く、疼いて、疼いて堪らないのです。」
 「お姫様お姫様、そんなに慌てないで、ちゃんと入れて差し上げますよ。」
 カエルさんは、わたしのお尻をもみもみと揉んでから、おちんちんを股間に近づけていきました。
 「あ、あぁぁ・・・おちんちんが・・・ん・・・入っ・・・ふあぁぁ・・・・・・」
 ずぶりずぶりと・・・おちんちんが、わたしの中に入っていくのが感じられました。
 凄く凄く、気持ち良い・・・・・・
 「お姫様お姫様、どうですか、獣の如く浅ましい格好で犯されるお気持ちは。」
 「あんっ、あんっ、あんっ、ふあぁっ、あはぁっ、ああぁぁぁっ・・・・・・」
 「どうやらどうやら、お姫様はお腰に夢中で、私の声など聞こえないらしい。これはこれは、面白い。」
 わたしのお尻とカエルさんの腰が、パチャンパチャンと打つたびに、身悶えて仕舞うほど気持ち良さが増していくのに、考える事などやめて・・・自ら腰を振っていました。
 わたしの動かすお尻とカエルさんが動かす腰が、うねりを与えて、とてもとても気持ち良くなるんです。
 「お姫様お姫様、今度はこのような趣向はいかがかな。」
 カエルさんは、大きく舌を伸ばして、お尻の割れ目にそって舐め上げました。
 「うんっ・・・ふあぁぁぁ・・・」
 「とてもとても気持ちが良さそうですね、お姫様。ならば、こんな感じは如何かな。」
 カエルさんは、舌先をわたしの・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・お、お尻の穴に入れてきたんですっ!
 「ひぃやっ!?あっ、んふっ・・・そ、そん・・・ああっ、あんっ・・・汚いのに・・・のに・・・いい・・・気持ちいいっん!」
 そんな不浄な所・・・お小水の所以上に不浄な所に、カエルさんは舌を入れてきたんです。
 でも・・・でも・・・・・・何故か、気持ち良過ぎて・・・
 「あひっ、うんっあぁっ、ふあ、はぁはぁはぁ・・・あうんんっ、あっ、あっ、ああっ・・・」
 わたしは涎をだらしなく垂れ流して、ただ喘ぐ事しか出来なくて。
 「良いですか良いですか、お姫様、それほどまでに良いのですね、ならばもっともっとお尻を弄って差し上げましょう。」
 カエルさんの舌が、ぐりぐりとお尻の所をなぞったり、ちゅぶちゅぶと抽挿したり、中を舐めたりといろんな動きでわたしを翻弄するのです。
 「お尻もおまんこもいいのぉ、あん、あんっ、ああんっ!!」
 わたしは、前と後ろからの攻めに・・・もう・・・
 「あはぁぁぁっ、いひぃっ、ああっ、ああっ、ああぁぁぁぁぁぁっ!!」
 もう、本当に壊れてしまいそうで・・・・・・・・・・・・あぁぁ、壊れてしまったくらいに気持ちよすぎます。
 「イったのですねイったのですね、お姫様はお尻を弄られてイったのですね。素晴らしい、貴方様は本当に素晴らしい逸材だ。これほど淫乱で感じやすい女は、今までに見たことがない。さぁさぁ、今度は私をイかせて頂きますよぉ。」
 パチャンパチャンと音を響かせて、カエルさんが腰を振ります。
 もうわたしは、動く気力すらなくて・・・唯ただ、攻められるだけの供物となって、カエルさんの腰に打たれつづけました。
 「あひゃぁぁ・・・ああん・・・あぁぁぁ・・・・・・」
 「お姫様お姫様、ああ、イきます、イきますよぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!!」

 ドクンッドピュッドクドクッドピュッピュッピュ・・・ドクッ!!

 「あふぁぁぁぁぁぁぁっ!!」
 どろどろした熱いものが打ち付けて、わたしの中で広がる感覚に・・・わたしはまた、気をやってしまいました。
 凄く、カエルさんの出したどろどろが、わたしの中に染み込んでいく・・・いいぃ・・・。

 「お姫様お姫様、まだまだですよ、夜はこれから、もっともっと気持ちよくなりましょう・・・・・・・・・」

 はい・・・カエルさん、もっともっと気持ち良くなりたいで・・・す・・・・・・あはぁぁぁ・・・・・・・・・・・・



 「姫様、姫様っ!」
 「あ、はいっ!」
 わたしは、わたしを揺する声に飛び起きました。
 「・・・セラ・・・・・・?」
 「・・・姫様、どうかなされました?」
 セラが、不思議そうな顔で、わたしを見ています。
 ・・・・・・あれは、唯の夢?
 それじゃ、井戸での事も?
 「・・・いいえ、何でもないわ。」
 わたしは、急に顔が火照り、恥かしくなってきました。
 顔の火照りを誤魔化すように、わたしはベットから立ち上がろうとすると・・・腹部の下から、鈍い痛みが走りました。
 「・・・つぅ・・・・・・」
 ・・・これって・・・・・・やっぱりあれは・・・
 「姫様?」
 セラの心配そうな声。
 「・・・あぁ・・・・・・」
 でも、そんなセラの前で、わたしは・・・悲嘆に暮れるでもなく、ただ声をあげた。
 昨日の事が思いだされる。
 熱く狂おしい夜の出来事が・・・
 「・・・姫・・・・・・・・・姫様、姫様っ!?」
 わたしは、セラの焦ったような声で、正気に戻る。
 「・・・あ・・・・・・何、セラ?」
 「何ではありません、急にどうされたのですか・・・顔を赤くされたと思ったら、ぼぉっとされてしまって。」
 わたしは、ただ微笑んでそれには答えなかった。
 それは、言える事ではないし・・・言うべき事でもない。
 「いいえ、ごめんなさいね、セラ。」
 「・・・い、いえ・・・・・・」
 わたしが、何かを言わずにいる事はわかっているのだろうけれど・・・それが何かわからず、彼女は混乱しているようだ。
 わたしは、悦の入った瞳でセラを見つめて。
 「セラ・・・今日は、お庭にピクニックに行きましょ。お弁当を持って、昔よく一緒に遊んだ井戸の所へ・・・・・・・・・」
 わたしの瞳を見たセラは、何かに怯えるように驚きを隠せないでいる。
 そう、例えば、理解出来ない、わからない代物でも見てしまったかのような・・・

 彼女には、教えない・・・あれは、わたしだけの秘密・・・・・・



 「カエルさんカエルさん、わたしに綺麗でうつくしく透きとおったつめたいお水を下さいな。」
 「お姫様お姫様、ならばお床を共にして、一緒の寝床と一緒の枕で、共に眠らせてくれるのなら、そのお願いききましょう。」
 わたしは・・・陶然とした微笑みを浮かべた。・・・下腹部が、いつの間にか熱く濡れているのを感じながら。





あとがき
 ども、Lです。
 今回は、初挑戦モノ。
 何が初挑戦なのかと言えば、女の子一人称です!

 ・・・・・・・・・やるんじゃなかった。

 書くのが、大変なこと、大変なこと・・・
 はぁ・・・
 これのほかにも、もう一つ挑戦してみたんですが・・・
 (内容は、中年の慕われてる男と慕っているお嬢様が悪戯されるって内容)
 もう、ダメダメでしたね。
 かけなくて。
 多分、二度と挑戦しないでしょう。
 でも、上のあれは、その内書いて見たい内容ではありますね。

 あと、童話っぽくするのは、もう止めです。
 こりゃ、やりにくいわ。(カエルの狂いっぽいのが、もう頭の中でぐちゃぐちゃにしてくれます・・・結構難敵です。)


2002/9/10



めにゅうへ

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